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他人を応援した人ほど回復していた|依存症アプリの意外なデータ

回復のヒント Read in English

自分がやめられなくて苦しんでいる中でも、他人を応援したり励ましたりする人がいる。

QuitMateのコミュニティでは珍しくない。自分が何度もリセットしているのに、誰かが「今日で2週間」と書くと「おめでとうございます」とコメントする。「またやってしまった」という投稿に「自分もそこからでした、また一緒に頑張りましょう」と書く。その人だって、本当は自分のことで精一杯のはずなのに。

データを分析すると、興味深いことがわかった。

コメントをもらった人よりも、書いた側のほうが回復していた。

コミュニティで応援し合う人々

コメントを「書いた側」のデータ

コミュニティの効果を分析するとき、普通は「コメントをもらった側」に注目する。他人からコメントをもらった人の継続日数が長いのは直感的にわかる。コメントを貰えると頑張ろうと思えるものだ。

予想以上のスコアだったのは、コメントを書いた側のほうだ。

アクティブなユーザー599人を、他人の投稿へ書いたコメントの数で分けた。ギャンブル、アルコール、過食、ポルノ、たばこ、すべてのカテゴリを含む。

他人へのコメント数人数継続日数の中央値
0件36429日
1〜2件11436日
3〜9件8177日
10件以上40114日

他人にコメントを書いた人のほうが明らかに継続日数が長い。0件の29日に対して、10件以上書いた人は114日。約4倍だ。

他人と関わり、つながりを持つ人ほど、確実に長く続いている。

調べてみると、これは昔から使われていた方法に似ている。

90年前から知られていたこと

依存症の自助グループとして世界最大のAA(アルコホーリクス・アノニマス)。その12ステップは、最後のステップ12で「自分の経験を他の依存症者に伝える」ことを求めている。回復した人が次の人を助ける。1935年から続く構造だ。

実際、AA参加者の利他行動が本人の断酒維持と関連しているというデータもある。助けることで「自分は誰かの役に立てる」という感覚が生まれる。そして実際、役に立っている。初めてやめようとする人はだいたい一人だ。誰にも言えないまま耐えている。そこで誰かから少し声をかけられるだけで、どれだけ力になるか。

QuitMateのコミュニティで起きていることは、その構造のデジタル版かもしれない。コメントを1件書くだけで、同じ目標を持つ仲間と繋がれる。書く側も、読む側も、「自分は一人じゃない」と勇気づけられる。助け合える。

因果関係ではない。でも

もちろん、今回のQuitMateのデータだけで因果関係が証明されたわけではない。

コメントを書く人は、モチベーションが高い人かもしれない。依存の重さが軽い人かもしれない。「コメントを書いたから回復した」のか、「回復しやすい人がコメントも書いた」のかは、このデータだけでは区別できない。

ただ、他人へのコメント数と継続日数に明確な相関関係があるというのは事実だ。90年前からの実践や研究も同じ方向を指している。他人への貢献や人とのつながりは回復のヒントなのだ。

一言でいい

コメント3件で、中央値は29日から77日に伸びる。10件以上で114日。

「頑張ってますね」。「自分もそうでした」。「わかります」。「応援してます」。

誰かの投稿を読んで、思ったことを一言書く。それが結果として、自分の回復を支えているかもしれない。

どうしてもやめられない、何回やっても続かない、最近少し調子が悪いなと思う人は、騙されたと思って誰かを応援してみてほしい。


データ: QuitMateアプリの599人のユーザーデータに基づく(6ヶ月以上前登録、登録14日間でアプリを8日以上利用、期間中のDAUカバー率40%以上)。コメントは登録14日以内に他人の投稿へ書いた件数(自分の投稿への返信は除外)。継続日数は各ユーザーの最長記録の中央値。

参考文献
  • Kelly JF, Humphreys K, Ferri M. Alcoholics Anonymous and other 12-step programs for alcohol use disorder. Cochrane Database of Systematic Reviews 2020; Issue 3.
  • Pagano ME et al. Helping other alcoholics in Alcoholics Anonymous and drinking outcomes. Journal of Studies on Alcohol and Drugs 2004.
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